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2024.03.18

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建築業界の2024年問題が住宅価格に与える影響とは

建設業 2024年問題

2024年問題とは、2019年から施行されている働き方改革関連法内の「時間外労働の上限規制」猶予対象であった建築業界を始め4業種で解禁されることによって、引き起こされる問題のことを指します。適用開始日が2024年4月1日であることから、2024年問題と言われています。

時間外労働の上限規制では、年間時間外労働時間の上限が360時間に制限されており、建築業界に大きな影響を与えることが大いに想定されます。それにより、住宅価格にも影響を与える可能性があります。

そこで、本記事では2024年問題が建築業界に与える影響を解説しつつ、今後住宅価格がどうなるかを解説します。

これから新築住宅を建てようと考えている方は、住宅の性能等だけでなく、2024年問題について理解するためにも、最後までご覧ください。

 

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1.建築業界で取り上げられている2024年問題とは

建築業界における2024年問題は、働き方改革関連法の改変による時間外労働の制限だけでなく、すでに施行が開始されている他の要因も大きく関わっています。

建築業界に影響のある2024年問題は以下の4つが挙げられます。

2024年問題とは
  • 罰則付きの時間外労働の上限規制
  • 中小企業割増賃金率の引き上げ
  • 年次有給休暇の取得義務
  • 雇用形態に関わらない公正な待遇の確保

それぞれの問題について詳しく解説します。

罰則付きの時間外労働の上限規制

時間外労働とは、法定労働時間である1日8時間、1週間で40時間を超える労働のことを指します。

建築業界における時間外労働は2024年4月から原則として月45時間、年360時間の上限が設けられます。ただ、特別条項に該当する場合には、申請することで年間720時間以内の時間外労働が可能です。特別条項とは、予想できない大幅な業務量の増加に伴い臨時的に限度時間を超えて労働させる必要がある場合も指します。

もし、時間外労働の上限を守らずに働かせてしまった場合には、事業主が6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される恐れがあります。

改正前も同様の時間外労働時間で制限が設けられていましたが、行政指導であり罰則はありませんでした。しかし、2024年4月からは罰則が科されるため、雇い主は制限を守らなければなりません。

時間外労働の制限が厳しくなることで、住宅の建築に必要となる工事期間が長くなる可能性があります。

中小企業割増賃金率の引き上げ

2022年3月31日までは、中小企業において1ヶ月の時間外労働が60時間を超えた場合には賃金の25%の割増賃金が適応されていました。しかし、2023年4月1日からすでに1ヶ月の時間外労働が60時間を超えた場合には賃金の50%の割増賃金が適応されています。

大企業には改正前と変わらず60時間を超えた場合には、50%の割増賃金率が適応されています。

建築業界は中小企業が多いため、割増賃金率が上昇することで、支払う賃金が上昇してしまい、雇い主は時間外労働を制限するもしくは支払う給料が増える可能性が高いです。

時間外労働を制限すると住宅の建築に時間が掛かります。さらに賃金が増えてしまう場合には、住宅の建築に必要となるコストが上昇してしまいます。これが住宅価格に直接影響してくることが容易に予測できるでしょう。

年次有給休暇の取得義務化

年次有給休暇の取得義務化は、2024年からではなく2019年4月1日から始まっていますが、時間外労働時間の制限や割増賃金率の引き上げと組み合わさることで、住宅建築に影響を与えます。

年次有給休暇の取得義務化とは、年間10日以上の有給休暇が付与される労働者に対して、年に5日以上の有給休暇取得が必須となる制度です。

有給休暇が取得義務化されている状況に加えて時間外労働時間が制限されることで、住宅建築の工期が長くなる可能性があります。

雇用形態に関わらない公正な待遇の確保

今までは正規雇用者とパートタイム労働者や派遣労働者の賃金等の待遇に差がありました。しかし、労働契約法の改正により公正な待遇の確保が必要となりました。

具体的には、主に以下の2つが挙げられます。

  • 正社員と派遣労働者等の非正規雇用労働者との間で、基本給や賞与などの待遇に不合理な差を設けることを禁止
  • 非正規雇用労働者は正社員との待遇差について雇い主に説明を求めることができ、雇い主は説明を求められた場合に説明しなければならない

非正規雇用者の待遇を改善することにより、住宅の建築に関わる人件費等のコストが上昇し、それに伴い住宅価格が上昇する可能性があります。

 

2.2024年問題が住宅建築に与える影響

建設業 2024年問題

上記で紹介した建築業界の2024年問題は新築住宅に大きな影響を与えることが予想されます。2024年問題が住宅建築に与える影響は主に以下の2つがあります。

  • 住宅価格が高騰する可能性
  • 住宅が完成するまでの期間が長くなる可能性

それぞれの住宅建築に与える影響について詳しく解説します。

住宅価格が高騰する可能性

2024年問題が新築住宅の建築に与える一番の影響は、住宅価格が高騰する可能性があることです。2024年問題により、以下の理由で住宅価格が高騰する可能性があります。

  • 時間外労働の上限が規制されることで、人件費が高騰する
  • 時間外労働の割増賃金率の引き上げ
  • 雇用形態に関わらない公正な待遇

時間外労働の上限が規制されると、労働時間が短くなり、工期が長くなってしまいます。工期が長くなると比例して人件費が増えます。また、中小企業であれば時間外労働の賃金が割増になってしまうため、これまでよりも人件費が高騰し、住宅建築のコストが上昇します。

さらに、非正規雇用者に対しても正規雇用者と同等の給与を支払わなければならないため、その影響が住宅建築のコストに反映されてしまいます。

上記のように、2024年問題は建築業界の企業の働き方に与える影響だけでなく、これから住宅を建てようと考えている人に対しても、住宅価格の高騰という形で影響を与える可能性があります。

住宅が完成するまでの期間が長くなる可能性

2024年問題により、住宅建築の価格が高騰するだけでなく、住宅完成までに掛かる期間が長くなる可能性があります。住宅完成までの時間が長くなる理由としては、主に以下の3つが挙げられます。

  • 時間外労働の上限が制限される
  • 年次有給休暇の取得義務
  • 時間外労働賃金の割増による時間外労働の抑制

時間外労働の上限が制限され、罰則が設けられたため、1日における労働時間が短くなり、工期が長くなります。また、時間外労働が多くなると賃金の割増が適用されるため、コストを抑えるために、時間外労働を少なくする可能性もあります。

さらに、年次有給休暇の取得義務が重なると、1日に働く人員も少なくなり、工期が長くなります。

2024年問題は労働者にとっては良い環境下で働ける条件が整う一方で、コストが上昇したり、工事期間が長くなったりする可能性があることを理解しておかなければなりません。

 

3.いつ住宅を建てるべきか

2024年問題について解説しましたが、働き方改革が進むことで住宅価格が高騰することを受け、いつ住宅を建てれば良いか悩む人もいるはずです。建築業界は、働き手が少ないだけでなく、若年者の割合も少ないため、今後も労働者不足が加速することが予想されます。

これらの理由から、新築の住宅の建築を考えているのであれば、早い段階で具体的な検討を始めることが得策です。

住宅を建てるためのコストは今後も上がり続けると予想できるため、家族や住宅会社と相談しながら、新築住宅建築の話を進めていくと良いでしょう。

 

4.まとめ

今回は、建築業界の2024年問題の詳細を解説しつつ、住宅建築に与える影響について詳しく解説しました。

2024年問題は、働き改革が行われることで人件費が高騰したり、工期が長くなったりする可能性があり、住宅建築は直接影響を受けます。働き手にとっては良い環境で働ける一方で、住宅を建てようと考えている人にとっては支払うコストが上昇する可能性があります。

そのため、これから住宅を建てようと考えているのであれば2024年問題についても理解し、どのような影響があるかを十分に把握しておきましょう。

住宅会社エソラでは、住宅建築におけるさまざまな問題についても相談を承っているので、いつでもご連絡ください。

 

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