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2024.03.08

  • 暮らしの講座

円安時に住宅購入しても大丈夫?不動産への影響を詳しく解説

円安 住宅購入

日本は2020年頃より円安が進んでおり、3年以上もその状態が続いています。いつ円安が終わるかもわからない状態で、私たちの日常生活に大きな影響を与えています。

新築住宅を含む不動産に対しても円安が影響を及ぼしており、不動産価格も高騰が続いている状態です。そのため、今後住宅の価格がどうなるかわからず、住宅を購入しようかどうか悩んでいる人も少なくないはずです。

そこで、本記事では円安が住宅購入にどのような影響を及ぼしているかを詳しく解説します。記事の後半では、住宅の購入の時期についても紹介しているので、これから住宅の購入を検討している方は参考にされてください。

1.円安が住宅価格に及ぼす影響

円安 住宅購入

円安とは、外国の通貨に対して円の価値が低くなっている状態を指します。円の価値が低くなるため、外国の通貨に変換しようとした際に、必要となる円の量が多くなってしまいます。

例えば、1ドル100円が円安となり1ドル200円になると、1ドルに変換するために必要な円の量が100円多くなります。

反対に、1ドル50円になると、1ドルに変換するために必要な円は50円少なくすみます。これは円高です。今回円高は関係ないので、円高円安の説明はここら辺にしておきましょう。

円の価値が下がってしまう”円安”になった時に、住宅購入に及ぼす影響は大きく分けて以下の4つが挙げられます。

円安が住宅価格に及ぼす影響
  1. 住宅ローン金利上昇の可能性
  2. 不動産価格の上昇
  3. 建築材料費の高騰
  4. 人件費等の上昇

それぞれの住宅購入に及ぼす影響について詳しく解説します。

1.住宅ローン金利上昇の可能性

円安 住宅購入

円安になってしまうと、住宅購入の際に必要となる住宅ローンに対して掛かる金利が上昇する可能性があります。

現在の日本は、生活に必要な資源や物を輸入に頼っていますが、円安になってしまうと輸入に掛かるコストが増えてしまいます。輸入コストが上がると、インフレが加速される可能性があり、物価が上昇します。物価上昇を抑えるために、インフレを調整する「金利を上げる政策」が取られます。

また、円安になると1ドル100円で交換できていた為替が1ドル200円になり、円安前よりも交換できる円の数が増えます。そうなると投資家が債券を購入しようとするため、日本の国債の利回りが上昇します。住宅ローンの固定金利は長期国債の利回りに連動して変化しており、国債の利回りが上昇すると固定金利が上昇する可能性があります。

上記の複数の理由により円安が進むと住宅ローンの金利が上昇する可能性があります。ただ、日本政府の政策によってもコントロールされていますので、円安だけでなく、政策についても注意深くチェックしておく必要があるでしょう。

住宅ローン金利が上昇してしまうと、住宅を購入した時に支払う利息が高くなる可能性があります。

2.不動産価格(地価)の上昇

円安が進むと、外国人にとって日本の不動産価格が割安となってしまうため、外国の投資家が日本の不動産を購入しやすくなり、相対的に不動産価格が上昇する可能性があります。これまで1000ドル=10万円で購入できていた不動産は限られていますが、1000ドル=20万円になると、同じドル価格でも20万円分の不動産が購入できるようになるということです。

土地も不動産なので、これから土地を購入して住宅を建てようと考えている場合には不動産価格の上昇の影響を受ける可能性があるでしょう。

ただ、円安だからといって必ず不動産価格が上昇するわけではなく、政府の政策や市場の状況の影響を受け価格が変動するため、常にチェックしておく必要があります。

3.建築材料費の高騰

円安 住宅購入

住宅を建てる際の建築材料を輸入に頼っている場合には、円安により建築材料費が高騰してしまう可能性があります。

例えば、1000ドルの材料を購入する際に、1ドル100円であれば10万円のコストが掛かりますが、円安により200円になると20万円のコストが発生します。このように円安は建築材料費のコスト上昇に直接影響を与えます。

また、建築材料を国内で生産している場合でも、円安の影響を受けます。国内で建築材料を生産する際に使用するエネルギーコストが円安により高騰するためです。日本はエネルギー資源を輸入に頼っているため、円安により輸入価格が高騰すると、相対的に建築材料の価格も上昇します。

円安により建築材料費が高騰することで、住宅購入価格は上昇してしまうため、不動産価格が上昇し、購入しにくくなる可能性があります。

4.人件費等の上昇

円安 住宅購入

建築業界は労働者不足が続いており、特に若者の労働者が不足しています。そのため、労働者を確保するためのコストが上昇しています。

労働者不足は円安と直接の関係はないですが、住宅購入費用上昇に影響を与えます。今後も労働者不足は継続し、労働者を確保するためにコストは上昇し続ける可能性は十分にあるため、今後も住宅購入費用は高騰し続けるでしょう。

 

2.円安時に住宅を購入しても大丈夫?

上記で説明したように円安は住宅購入に大きな影響を与えます。円安が進むに連れて住宅の購入に関わるコストは大きくなります。また、住宅ローンを使用して住宅を購入する場合には金利が高い状態の可能性もあります。

そのため、円安時に住宅を購入してしまうと円高時に比べると支払うコストは大きくなることから、住宅購入は見送ったほうがよいとされる場合もあります。

しかし、円安がいつ終わるかは誰にもわかりません。未来と比べると今が円高の可能性だってあります。

 

3.いつ住宅を購入するべきか

円安になると住宅購入に関わる費用は高騰します。そのため、円安時には住宅を購入しないほうが良いとされます。それでは、いつ住宅を購入したら良いのでしょうか。

住宅の購入時期は円安かどうかで決めるのではなく、ライフステージに合わせて購入を検討したほうが良いです。

円安だからといって住宅の購入を見送っていると、さらに円安が進み、購入費用が高くなる可能性があります。円安がいつ終わるかは誰にもわかりません。

また、長年続いた住宅ローンの低金利がいつ終わるかもわかりません。2024年現在では、固定金利が上昇しつつあるため、住宅ローン金利だけで判断するのであれば、すぐに住宅を購入したほうが良いでしょう。

住宅を購入するかどうかを決める際には、マイホームが欲しいと思った時が最適となります。家族や住宅会社と相談しながら、住宅を建てる時期を決めると良いでしょう。

 

4.まとめ

今回は、円安が住宅購入に与える影響について詳しく解説しました。

円安は、他国の通貨に対して円の価値が低い状態を指します。円安が進むと、住宅ローンの金利が上昇する可能性があるだけでなく、海外投資家の影響により不動産価格が上昇したり、輸入に頼っている建築材料費が高騰したりするため、住宅購入に関わる費用は相対的に上昇します。

そのため、円高時に比べると円安時に住宅を購入してしまうと、支払う費用は高くなります。しかし、円安だからといって住宅の購入を先延ばしにし、円高になるのを待っていると、いつまで経っても住宅を購入できない可能性があります。なぜなら、円安の状態がいつ終わるかは誰にもわからず、反対にさらに円安が進む可能性だってあるからです。

そのため、住宅を購入するタイミングは、円安に関係なく家族と相談しながらライフステージに合わせると良いでしょう。住宅ローン金利を考えるのであれば、すぐに購入したほうが支払う金利が低くなる可能性もあります。

住宅の購入に関わる費用については、住宅会社と相談しながら進めていくと良いでしょう。注文住宅のエソラでも、住宅費用の見積もり・相談はいつでも承っているので、ぜひ一度ご相談ください。