2025.12.09
全熱交換型換気システムとは?メリットとデメリット、換気システムの種類を解説

「全熱交換型換気システムってなに?」
「設備にこだわって常に快適なお家で過ごしたい」
住宅を建てる際には換気の設備についても考えなければいけませんが、どのような設備にすればいいか難しいですよね。
住宅における換気方法には3つの種類がありますが、そのなかでももっともおすすめなのが「全熱交換(第一種換気)」です。近年では、外気から取り入れた空気を室内の温度や湿度に近づけて換気できる「全熱交換型換気システム」が、多くの住宅で採用されています。
全熱交換型換気システムを導入すると、空調にかかる電気代を節約できたり、常に快適な温度や湿度を保てたりなど、さまざまなメリットがあります。ただし、導入の際には注意しなければいけない点もあるため、十分に理解を深めたうえで検討することが重要です。
本記事では、全熱交換型換気システムの仕組みや、導入するメリット・デメリットなどについて解説します。他の換気システムとの違いも紹介しているので、これからマイホームの建築を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
一年中快適な暮らしを実現したい方へ
- 心地よい室温で、夏はカラッと涼しく、冬はしっとり暖かい
- 冷暖房効率が高く、お財布にも優しい
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エソラの注文住宅では、業界最高水準の「全熱交換型換気システム」を採用し、1年を通して快適な住環境を提供します。
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▼目次
1.世界基準で家を建築している会社が採用している『全熱交換型換気システム』とは?
2.全熱交換型換気システムの仕組み
3.全熱交換型換気システムにするメリット
4.全熱交換型換気システムにするデメリット
5.住宅における3つの換気方法
6.換気システムはハウスメーカーによって異なる
1.世界基準で家を建築している会社が採用している『全熱交換型換気システム』とは?

全熱交換型換気システムとは、外気から取り入れた空気を室内の温度や湿度に近づけて換気をするシステムです。
例えば、外気温が0度で室内の温度が20度であれば、外気から取り入れる温度をあたためて、室内の温度を一定に保つように換気します。
ただの換気であれば、外気をそのまま取り入れるため、室内の温度は下がってしまい、快適な住環境にはなりません。
しかし、システムを活用すれば、寒い環境でも室温を一定に保ちながら換気ができます。以下は、一般的な換気システムと全熱交換型換気システムの違いです。
| 一般的な換気システム | 全熱交換型換気システム |
|
冷暖房されて適温になった空気を排気する 外気をそのまま給気する(室温にも影響を与え、花粉やPM2.5も入れてしまう) |
適温になった空気の熱を回収してから排気する 外気に熱を伝えてから給気する |
システムの種類にもよりますが、全熱交換型換気システムなら、建坪30坪の住宅の場合月々のランニングコストは300円と、エアコンを使用するより経済的です。
ダクト式とダクトレス式
換気システムには、ダクトレス式とダクト式がありますが、全熱交換型換気システムはダクト式が採用されます。
ダクト式換気システム
ダクトレス式は、それぞれの部屋に開口部を設置して換気を行うため、どのようなデザインの住宅でも設置が可能です。しかし、開口部が多くなってしまうため、外観が気になる方には向かない方法です。
ダクト式は、それぞれの部屋にダクトを通して、一つの開口部から全ての換気を行う方法です。開口部が一つで済むため、外観を損ねる心配はありません。しかし、設置するコストがダクトレス式より高くなる傾向にあります。
ダクト式を仕様する際には、換気を行う機器を設置するスペースが必要となります。通常であれば、換気システムの機器を設置する場所は外壁や天井裏が多い傾向にあります。
しかし、エソラでは、無駄な空間を作らないために床下空間に換気システムを設置して、外観に影響を与えないように工夫しています。
住宅は24時間換気の設置が義務付けられている
近年、全熱交換型換気システムは多くの住宅で採用されています。その利便性や快適性も注目されている理由の1つですが、住宅を建てる際に義務付けられている「24時間換気の設置」が採用されているもっとも大きな要因として挙げられます。
住宅を建てる際の「24時間換気の設置」は、2003年に施行された建設基準法の改正によって義務付けられました。
この義務が設けられたのは、住宅の高気密化が進むなかで、建材や家具などから放散される化学物質によるシックハウス症候群の発生を防ぐためです。
シックハウス症候群とは、住宅に使用されている建材や家具などから発散されるホルムアルデヒトなどの化学物質によって、引き起こされる健康被害のことを言います。おもに、頭痛や鼻水、のどの痛みといった症状が一般的です。
昔の日本家屋は風通しが良かったですが、住宅の高気密化が進み、窓を開けたり、換気扇を回して換気したりするだけでは、空気の入れ替えを十分におこなうことが難しくなりました。
そのため、すべての住宅に何らかの換気システムの設置が必要となり、そのなかで高性能な全熱交換型換気システムが選ばれるようになったのです。
2.全熱交換型換気システムの仕組み
前述したように、「外気から取り入れた空気を室内の温度や湿度に近づけて換気をおこなう」のが全熱交換型換気システムです。
新鮮な空気が屋外から取り込まれて室内に供給されるまでの具体的な仕組みは、以下のようになっています。
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仕組み |
詳細 |
|
①屋外から空気を取り込む |
住宅の外壁に設置された給気口から空気が取り込まれる |
|
②フィルターを通る |
換気システムの本体または給気ダクトの途中に設置されているフィルターを通って、ホコリや花粉などの汚染物質を取り除く |
|
③熱交換素子を通る |
室内の排気と外からの給気を互い違いに流し、熱と湿度を交換する「熱交換素子」を通って、室温に近づいた状態の空気に調整する |
|
④室内の環境に適した空気が供給される |
給気ダクトを通り、各居室に設置された給気口から、室内の環境に適した空気が供給される |
夏は冷房で冷やされた排気から冷熱を利用して熱い外気を冷やし、冬は暖かい排気から熱を利用して冷たい外気を暖めることが可能です。これにより、室内を快適な温度に保ちながら換気ができます。
3.全熱交換型換気システムにするメリット

換気システムの中でも全熱交換型換気システムは、温度と湿度を変換できるため、より快適な住環境を保つために役立ちます。
ここからは、全熱交換型換気システムにする以下の4つのメリットを解説します。
- 室内の温度を一定に保てる
- 湿度を保てる
- 効率的な換気で空気が綺麗
- 健康な生活に貢献する
電気代の節約につながる
一般的な換気では、せっかくエアコンで温めた(または冷やした)室内の空気は、そのまま屋外に捨てられてしまいます。また、換気することで外気がそのまま入ってくるため、室内を快適にするにはエアコンをフル稼働させる必要があります。
しかし全熱交換型換気システムであれば、熱を交換して室内の環境に適した空気が供給されるため、エアコンが室温を調整するために必要なエネルギーが大幅に減ります。
そのため、エネルギーの無駄を最小限に抑えられ、冷暖房にかかる電気代が節約可能です。
快適な温度や湿度を保てる
全熱交換型換気システムは、換気しても室内の温度が変化しにくいです。
窓を開けたり、換気扇を回したりする換気だと、夏は暑い空気・冬は寒い空気が入り込みます。また、天候次第では、十分な換気ができないおそれもあります。
全熱交換型換気システムであれば、季節や天候を問わず常に換気できるうえ、常に快適な温度を保つことが可能です。
また、温度だけでなく、空気中の湿気も調整できます。夏の蒸し暑さや冬の乾燥も調整し、一年中安定した室内環境を実現できますよ。
効率的な換気によって空気を綺麗に保てる
全熱交換型換気システムには、フィルターが設置されていることがほとんどです。フィルターを通して給気するため、外気中の汚染物質の侵入を防ぎやすくなっています。
ホコリや花粉、PM2.5、虫などが室内に入り込むのを防ぎ、室内の空気を常に綺麗に保つことが可能です。
健康な生活に貢献する
全熱交換型換気システムは、外気を取り込みつつ温度や湿度を調整できる仕組みです。その結果、家中の環境が一定に保たれ、寒暖差による負担が軽くなります。特に冬場は、急激な温度差が原因で起きる「ヒートショック」のリスク低減にもつながります。
また、外の空気をフィルターで浄化して取り込むため、
- 花粉やホコリが室内に入りにくくなり、花粉症の負担を軽減できる
- 湿度が一定に保たれ、ダニの発生を抑えやすくなる
- 室内環境が整うことで、アトピー性皮膚炎の症状改善が期待できる
といった健康面でのメリットもあります。
4.全熱交換型換気システムにするデメリット
全熱交換型換気システムは多くのメリットがありますが、導入や運用に際しては、知っておくべきデメリットもあります。ここからは以下の2つのデメリットを解説します。
- 導入時のコストが高い
- メンテナンスに手間が掛かる
導入時のコストが割高
全熱交換型換気システムは、従来のシンプルな換気システムに比べて複雑な機器と施工が必要になるため、導入時のコストが高くなる傾向があります。
- 機器本体の価格:熱交換素子や高性能なフィルター、送風機などを内蔵しているため高くなる
- ダクト工事:給気と排気を両方とも機械でおこない、熱交換素子に空気を正確に導く必要があるため、給排気の両方のダクト配管工事が必要となり、施工のコストがかかる
ただし、ダクトレス式かダクト式かで導入時のコスト負担は変わります。ダクトレス式であれば、ダクト式のより配管工事の手間がかからないため、コストを抑えて導入することが可能です。
メンテナンスに手間が掛かる
全熱交換型換気システムは、その高性能を維持するために、定期的なメンテナンスが不可欠です。
たとえば、外部のホコリや花粉などを除去するフィルターは、汚れると換気効率や空気質が低下します。そのため、定期的に清掃・メンテナンスする必要があります。
他には、内蔵されている熱交換素子も、機種によっては数年に一度の分解清掃や交換が必要です。とはいえ、エアコンや空気清浄機にもフィルター清掃が必要なことを考えると、メンテナンスの負担は特別大きいとは言い切れません。多くの場合、業者に依頼しなくても自分で対応できる程度の作業です。
導入前に、メンテナンスの頻度や手入れのしやすさ、交換部品のコストを確認しておくと安心です。
5.住宅における3つの換気方法
住宅の換気方法には大きく分けて以下の3つの段階があります。
- 第一種換気
- 第二種換気
- 第三種換気
それぞれの換気方法にはメリットとデメリットがあり、住宅会社や環境によって採用する換気方法は異なるため、特徴を理解しておく必要があります。
第一種換気
第一種換気は、外気から取り入れる給気も外に空気を出す排気も機械を使って換気する方法です。
全熱交換型換気システムも第一種換気に分類されます。
第一種換気は、給気にも排気にも機械を使用するため、コストが大きくなるデメリットがありますが、効率的な換気ができて、常に綺麗な空気を保てるメリットがあります。
さらに、全熱交換型換気システムのように熱を一定に保つ換気システムが増えており、室内の温度を安定させるため、冷暖房の効率もアップします。
■第一種換気に熱交換機能を持たせたものが「全熱交換型換気システム」

エソラの全熱交換型換気システム(夏期と冬期)
第一種換気は、空気だけを機械を通して換気するものと分類されますが、その中でも熱交換機能を持たせたものが「全熱交換型システム」です。
第一種換気を採用していても、ただ単に機械を使って空気のみを交換するシステムもあります。
そのため、住宅会社が第一種換気を採用していると謳っていても、どのような換気システムを採用しているかを確認しておく必要があります。
■全熱交換型と顕熱交換型の違い
第一種換気の中で空気の換気だけでなく、温度も変換するシステムがありますが、その中でも「全熱交換型」と「顕熱交換型」に分かれます。
全熱交換型は、温度だけでなく、湿度までも一定に保つ換気システムです。反対に、顕熱交換型は、温度のみを交換して、湿度は変換しないまま、外へ排出されます。
全熱交換型で湿度も一定に保てれば、結露やカビの発生を防げるだけでなく、人体に影響を及ぼす汚染物質なども排除できます。
以上のことから、全熱交換型換気システムは、換気システムの中でも最も綺麗な空気を保てる換気方法といえるでしょう。
第二種換気
第二種換気は、給気は機械を使用し、排気は機械を使わずに自然に排出して換気する方法です。給気のみを機械で強制的に換気することで陰圧となるため、病院のクリーンルーム等で使用されます。
第二種換気は、その特性上、一般的な住宅に使われることはありません。
第三種換気
第三種換気は、給気も排気も自然に行う換気方法です。機械を使わないため、導入コストが掛からないメリットがあります。さらに、メンテナンスも容易です。
しかし、自然な換気のため、効率的な換気になりにくいデメリットがあります。
さらに、外気が侵入しやすいため、室内の温度が変化しやすく、外気温の影響を直に受けてしまうのもデメリットといえるでしょう。
6.換気システムはハウスメーカーによって異なる

ここまで、全熱交換型システムだけでなく、さまざまな換気方法について解説しましたが、結局のところ依頼する住宅会社によって導入できる換気システムは異なります。
全熱交換型換気システムを希望しても、住宅会社によっては導入していない場合もあるため、見積もりを取る前から確認しておく必要があるでしょう。
換気システムは、快適な住環境を実現するためにも、全熱交換型システムがおすすめです。
弊社では、標準で全熱交換型システムを導入しているため、追加の料金が発生することはありません。もし、気になる方は一度弊社にご相談ください。
7.まとめ
全熱交換型換気システムのメリット・デメリットをおさらいしましょう。
|
メリット |
デメリット |
|
電気代の節約につながる 快適な温度や湿度を保てる 効率的な換気によって空気を綺麗に保てる 健康な生活に貢献する |
導入時のコストが割高 メンテナンスに手間が掛かる |
従来のシンプルな換気システムに比べると導入時のコストは割高ですが、高い省エネ効果によって長期的な電気代の節約が見込めます。そのため、導入費と継続的にかかる電気代のバランスを考えて、導入を検討しましょう。
また、「コストを抑えて導入したい」「住宅の構造に合わせて最善な設置工事をしたい」という場合は、業者の選定も重要となります。
全熱交換型換気システムは、住宅の構造に合わせた換気経路や適切なダクト施工が重要です。空気が滞留する場所があったり、ダクトの曲がりが多かったりすると、換気効率が低下するおそれがあります。
また、業者によって対応可能な換気システムには違いがありますが、施工実績が豊富な業者ほど、住宅で生活するうえで最適な機器を提案・最適な設置工事をしてくれる可能性が高いです。
全熱交換型換気システムの導入においては、全熱交換型換気システムの施工実績や取扱機器の質の高さを確認したうえで、業者を選定しましょう。
注文住宅のエソラでは、全熱交換型換気システムに対応した住宅を設計、建築をしてきた実績があります。暮らしやすさを第一に考え、施主様だけの特別な一邸をトータルに設計いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
一年中快適な暮らしを実現したい方へ
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エソラの注文住宅では、業界最高水準の「全熱交換型換気システム」を採用し、1年を通して快適な住環境を提供します。
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